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冬の訪れを告げるごはんのおとも

おかげ横丁の漬物屋、傳兵衛には、冬の訪れを知らせるこの地域の伝統野菜を使ったお漬物があります。伊勢市の中でも朝熊山麓の地域でしか美味しく育てられないといわれる「朝熊小菜」を使ったお漬物で、冬至の前後から立春が過ぎた梅の咲き出す時期に販売しています。傳兵衛の岩尾さんにお伺いし、朝熊小菜の拘りの強い生産者の1人、坂本春喜さんを訪ねました。




 朝熊小菜は菜の花と同じアブラナ科の野菜で、この地域では古くからお漬物にして食べられていました。朝熊町では軟らかく育ちますが、他の場所では硬かったり、風味が悪かったりするそうで、非常に栽培量の少ない冬野菜となっています。

お父さんが朝熊小菜の栽培をしていたため、物心着いた頃から手伝いを始めた坂本さん。自然と栽培を引き継ぎ、現在は奥様と2人で栽培をしています。
 坂本さんの思う美味しい朝熊小菜は、菜っ葉らしい香りと、軟らかさがある小菜。これを生み出す要因は、朝熊山麓の冬の寒さと朝晩の寒暖差です。秋に撒いた種は、冬の訪れと共にじわじわと成長し、寒さが続く中でも比較的暖かい数日に急に大きく伸びてきます。それが朝熊小菜の最も美味しい合図になります。まさにこれからが坂本さんがつくる朝熊小菜の旬となります。時を待ち、坂本さんは鎌で刈り取りを行います。

 朝熊小菜は種が市販されていないので、全て刈り取ることはしません。あえて残し、更に成長させてから種を取ります。取った種は大事に保管し、次の秋の種まきに備えます。



 「なんも育てるのに難しいことはないけどなぁ、選別だけは大変や。漬物にするにはあんまり小さいのはよくないしゴミも取らんとなぁ。」
 刈り取った後は奥様と選別をするそうですが、小さく細い野菜なので丁寧に1本1本選別するため、時間がかかります。そのため、1日50束が限界だそうです。

 おかげ横丁 傳兵衛では、浅く漬けることにより朝熊小菜の特徴を引き立てています。重石をし、塩漬けした後、手もみをします。1束1束手もみするため手間はかかりますが、こうすることで軟らかいお漬物ができるそうです。


 おかげ横丁の町人も毎年楽しみにしている朝熊小菜のお漬物。まもなく、坂本さんが育てた朝熊小菜も店頭に並びます。
 刻んでごはんにのせて朝熊小菜の味をお楽しみください。胡麻やかつお節、刻み生姜ともよく合います。

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